今年2月、銀婚式のお祝いを兼ねて妻と広島を訪れました。この旅は、行きたい場所をいくつかピックアップし、詳細なスケジュールは組まない形にしたため時間に追われることなくゆったりと過ごすことができ、私たちにとってかけがえのない思い出となりました。

 初日、山口錦帯橋空港に到着後、そのまま錦帯橋へ向かいました。日本三名橋の一つである錦帯橋は、見事なアーチと精巧な木組みが印象的で、特に橋脚側からの眺めには感動しました。橋を渡った先には、山頂にそびえる岩国城があり、ロープウェイで途中まで上がった後、山道を15分ほど歩いて辿り着きました。城内には錦帯橋のミニチュアや刀剣が展示されており、歴史を身近に感じながら過ごすことができました。

 翌日は早朝にホテルを出発し、広島平和記念館まで散策を楽しみながら歩いて向かいました。記念館内では、当時の手記や家族への手紙などのたくさんの展示物を通して、戦争の悲惨さや平和の尊さについて深く考える時間を過ごしました。平和記念館を後にし、原爆ドームへ向かうと多くの外国人観光客が訪れており、広島から発信される平和のメッセージが、世界中に広がっていることも実感できました。

 最終日には、船で宮島へ渡り、朝日に照らされて朱色に輝く鳥居の壮大さに心を奪われました。開門と同時に厳島神社を参拝し、妻と二人で家内安全の祝詞をいただきました。波の音と祝詞が醸し出す厳かな雰囲気の中で心が洗われ、この旅を静かに締めくくることができました。

 私たちは皆、人生という「旅」をしています。その旅の長さは人それぞれですが、どれもがかけがえのないものです。私も50歳を超え、人生の折り返し地点を迎えました。これからは、これまでのようにせわしなく動き回るのではなく、もっとおおらかな気持ちで日々を過ごしていこうと考えています。今回の旅のように、ゆったりと落ち着いて、本当に大切なことに心を向けていきながら、仕事もプライベートも丁寧に向き合っていきたいと考えています。まだまだ先のことだと願いつつ、いつか迎える最後の時には、弊社の企業理念である「人生とはすばらしいと感じてもらう」を胸に、私自身も「ああ、素晴らしい人生だった」と心から思えるように、毎日を大切に生きていきます。

文責:笹木幹人