国分寺通信 Blog
# 国分寺通信
~やさしい食卓と健康~

北海道の大空と大地の中で生まれ育った少年時代、スポーツに明け暮れていた私の体を力強く支えてくれたのは、今はもういない母が作ってくれた愛情あふれる料理だった。育ち盛りの私の胃袋を満たす、ニンニクや醤油がガツンと効いた力強い味わいは、当時の私にとって何よりのエネルギー源であり、実家の温もりそのもの。「美味しい食卓」とは、そうした濃い目の味わいだと、ずっと思っていた。
そんな私が結婚し家庭を持つと、食卓の風景は少しずつ変わっていった。年齢を重ねるにつれて、あれほど好んだ濃い味よりも、すっきりと澄んだ味わいに美味しさを感じるようになった。
塩や醤油、味噌といった調味料をただ減らすだけでは、物足りなさを感じてしまうこともある。もちろん、汗をたっぷりとかいた日には、濃い味やパンチのある塩気が恋しくなることも。けれど、最近は、妻が丁寧に取る出汁の美味しさを実感している。
妻は、素材の旨みを活かす工夫を重ねてくれて、その一つが、胡麻油で肉や野菜を香ばしく炒めてから仕込む味噌汁。ほんのりと胡麻油の芳醇な香りが立ち上り、調味料に頼らなくても素材そのものの豊かなコクが広がる。そんな小さな工夫と出汁の香りが、減塩でありながらも、心から「美味しい」と思える体に優しい食卓を作ってくれるのだ。
遠い記憶の中にある、母の思い出の味に感謝しながら、日々の暮らしに寄り添う妻の優しい味に包まれる。健康に気を配り、これからも共に元気で長く歩んでいくこと。そして、すくすくと育つ孫の顔を一緒に見守りながら二人で人生を心から楽しみたい。
そのための一歩は、毎日の食卓にある温もりと、出汁が効いた優しい味わいにある。今日も明日も、心と体が喜ぶ一皿を、二人で大切に味わっていきたい。
文責:佐々木 俊已