東日本大震災から12年。今年も世界中で地震や台風など自然災害に見舞われ、その被害が甚大なものもありました。また、要人の暗殺など凶悪な事件もあり、逃げ惑う人々の姿に恐怖を感じました。何年か前にテレビで“人はなぜ逃げ遅れるのか?”という番組が放送されたことを思い出しました。解説の先生は、「災害に慣れていない現代人は安全な状況に慣れきってしまい、災害時の危険な状況に反応できなくなっているばかりか“危険な状況である”という事すら認識できない傾向がある。もともと人間は、危険な状況に敏感になり過ぎるとノイローゼになってしまうため、心にゆとりを持っている。そのゆとりこそが仇となり、本当に危険な状況に自分自身が巻き込まれても対応が遅れ、逃げ遅れてしまう」と話されました。また「我々は常に安心していたいものです。しかし安心したいがために、危険な状況を過小に受け取ったり伝えたりする事は、最悪な状況をも招きかねません。危険で異常な状況に直面した時は、孤軍奮闘してでも安全を高める行動が重要です。」と力説していました。
岩手県大槌町の復興ボランティアに参加した際、とても大きな余震が二度、三度ありました。もしもその時に津波に襲われていたら、迅速に行動できていたかどうか私も自信がありません。
人間は(特に日本人は)、何かの緊急事態に遭遇した時、周囲に人が多いと他人事になってしまい「面倒に巻き込まれたくない」「自分は関係ない」と現実逃避をし、周りの人の様子をうかがい、誰も動かないうちは自分も動かないで大丈夫と思い込んでしまいがちだそうです。では、どういった人がこういう状態に陥りやすいのでしょう。それは、仲間や上司など、周りからの指示で動くことに慣れている人だそうです。少し厳しい言い方かもしれませんが、「何事も自分で判断しない、できない人」なのだそうです。私自信も耳が痛いです・・・
東日本大震災が起こった時、釜石の奇跡と言われ、襲い来る津波から懸命に避難し難を逃れた生徒達も最初は「どうせ大したことないよ」と軽く考えていたそうです。しかし一人の生徒の冷静な判断、真剣な呼びかけにより仲間達で助け合うことができたそうです。
どうすれば自分で判断できる様になれるのでしょうか?それは、日頃から何か気づいた時すぐに行動する、実行に移す意識をすることだそうです。難しく考えず最初は道にゴミが落ちていれば拾ってゴミ箱へ捨てる。電車やバスで席を譲るくらいの心がけから始めてみませんか?誰かが拾うだろう、誰かが譲るだろうでは、何も変わりません。人によっては気恥ずかしく感じるかもしれません。でも、その行動が世界でたった一つのあなたの命、誰かの命を守れるかもしれません。「ほんの少しの勇気で世界中に幸せのサイクルが拡がる!」とても素晴らしいことだとは思いませんか?明日からと言わずに、今から幸せのサイクルを拡げましょう!
文責:永松英樹