今年の初めに、社内の防災担当を仰せつかりました。平成23年3月11日、東日本大震災が発生した際、被災地のひとつである岩手県大槌町へ何度か復興のお手伝いに行きました。その時に知り合ったボランティアの人達とも交流が続いていることから、防災への意識が高いのでは、と思われていた様です。自然災害が頻繁に起こった平成の時代から、5月1日に令和となった今年、お祝いムードが世の中を包み、令和こそ平和で安全な時代にと、願う方々も多い事かと思います。しかし、報道や新聞記事などを見聞きしていると、近い将来に大きな地震が必ず起こるだろうと予想されています。これは大切で且つ、緊急な役目なのだ、と意気に感じて真剣に取り組んでおります。

 まず初めに行ったことは、災害時における社内連絡網を作成する事でした。スタッフ個人の携帯番号、自宅の電話番号、親元や実家の電話番号、自分以外の家族の携帯番号などを一覧にし、それを元に、災害用伝言ダイヤル171も活用し、災害時にはお互いの安否確認や状況報告を連絡しあう事としました。また、災害時には少なくとも3日間分の食糧、飲み水を各自で備蓄しておく事とされています。私たちもスタッフ全員分の食糧、生活用品などを用意しています。他にも社内、社外イベントで使用するプロパンガスやカセットコンロ、発電機などを余分に備蓄しています。

 私たちの仕事では、葬儀の相談中、斎場にて葬儀中、火葬の最中と、どの場面で被災するのか分かりません。いつ起きるか予想できない災害からどう皆様をお守りするか、いかに安全に避難して頂くか、本当に重要な問題です。斎場の決まりや地域における避難場所などを、自治体が発行しているハザードマップや防災冊子を参考に、日頃から把握するようにしています。また、町内会での防災訓練が行われる時は、出来る限り参加し、いざという時には地域の一助となれる様に努めています。

 そして想い出されるあの3月11日、自然の力のあまりの大きさに、ひざをつき、なすすべなく家々が流されるのを呆然と見つめていたあの日から今日まで、私たちには幾多の災害を乗り越えて、強い絆、助け合いの精神がそれぞれの心の中に培われました。私たちは、なにが起こっても、個人、地域の結びつきで、きっと乗り越えられると信じています。自然災害に対する私たちの取り組みは、まだまだ万全と言えるものではありませんが、「備えあれば憂いなし」という言葉の通り、できる事を一つずつ増やし、大きな災害が来ることがないように心から祈りながら日々防災に備えていきます。

文責:永松 英樹