義父の葬儀から、もうすぐ1年が経とうとしている。振り返ってみると義母も義妹も4年間に渡る看病で「やり残したことはない」と言っていたこともあり、当時の義母たちの表情には悲しみと疲労感の中にほんの少しの安堵の表情もうかがえた。

 病院から自宅に連れて帰り布団に寝かせ、浴衣から普段着に着せ替えた後、本来ならマッサージやメイクを施すところであった。しかし私はあえてメイクは施さず、枕元にメイク道具を置き美容学校に通っている娘の帰りを待った。帰ってきた娘は義父の顔を見に行き枕元にあるメイク道具に気づいた。「そこにある道具を使ってお爺ちゃんに化粧をしてあげて」そして私は、「ギャルメイクにだけはするなよ!」と伝えた。義母や義妹も「それだけは勘弁して。。。やめて。。。」と笑い合い、私たち家族が明るさや親しみで包まれているのを感じた。

 娘は「生きている人の顔に化粧をするのとは違って難しいね。しかも、男の人にするのは始めてだし。」と自分の立ち位置を変えながら何とか化粧が仕上がった。義母たちも「上手、上手」と納得の顔をしていた。そして、義母は翌日から近所の人や親戚が訪問してくるたびに「孫が化粧をしてくれたの」と笑顔で話していた。きっと義父も見守っていた義母も満足してくれたと思っている。

 娘は、義父の身体に触れ何を感じただろう?美容の仕事に就く身だと知って応援してくれていた義父の亡骸にメイクをしてみて、実際に感じた事を、私はまだ聞けていない。しかし、幼少の時に祖父に肩車をされ喜んでいた娘が、二十歳を迎え死化粧を施す姿は私の心に響くものがあった。娘の心にも何かしらの響きがあったなら良いなと思う。そして、その経験が娘の人生の糧となってくれるのなら義父も私も、こんなに幸せな事はないだろう。義父から妻、そして妻と縁あって結婚した私、私から娘へと繋がり、これが“次世代を担う子供達の成長の場”であり私の伝えたい事の一つなのだと実感した。

文 責:佐々木俊已

 「継続は力なり」とよく言います。しかし、私はすぐにやる気が下がり三日坊主になる事も一度や二度ではありません。そんな自分を変える為、続けていることがあります。
 今、私が継続しているのは、会社へ一番早く出勤する事です。朝の5時50分に起床し、出勤時間を早くすることで、電車が遅れても遅刻しない。朝の通勤ラッシュを避け、ストレスを減らし業務に取り組むことが出来ます。また、早く出社する事を褒めてくれる先輩が出来ました。認めてもらった事をうれしく思い、自分のモチベーションが上がっていくのを感じます。眠気がとれずに、諦めそうになった時もありましたが、朝起きた自分を「今日も早く起きたな!良くやった!」と褒め、今でも続ける事ができています。そして、今までは就寝前の習慣だった読書も、通勤中の電車内でも行えるようになりました。この経験が、小さな自信になり、習慣づける事に苦手意識が無くなってきました。それを活かし、直したい事があります。

 私は、社内で作業をするときに、良く怒られてしまう事があります。「机の上を綺麗にしてから作業をしなさい」、「書類を曲がった状態で机に置かないこと」、「使用した物は同じ場所に戻しなさい」。片付けながら作業をするということが、なかなか習慣化できていません。しかし、一流の人達は作業場を汚く使うことはないそうです。一流の料理人の使うキッチンは料理を作りながら、同時に片付けるのでとても綺麗であり、作業が終了した後に片づける必要が無いようにしています。さらに身の回りが整う事で、作業しやすい状況を作り、良い仕事に繋げていきます。先輩は私にも一流の仕事の仕方を求めているのだと思います。怒られる事を反省しつつ、先輩の気持ちに答えられる様に、「これは一流になれるチャンスだ!」と思い、整理整頓を習慣化する努力をしています。

 続ける事にやる気は不可欠だと思います。誰かに褒めてもらった時は素直に喜び、さらに自分でも良いと言われた所は褒めて、やる気を継続する。悪い所はもちろん反省しつつ、それでもネガティブな気持ちにとらわれない様にする。一つずつ自分の為になる行動を習慣化することで、自分も細かい配慮が出来る人になれると信じ、人間力の向上を求めて、まずは「がんばれ!一歩ずつ成長しているよ!」と自分を褒めながら、良い習慣化を続けていきます。

文責:中村 祐一