前職で生命保険の営業をしていた時のことです。
 お客様がお亡くなりになり手続きに伺った際、お兄様がおっしゃった「弟に保険を続けさせてくれて、ありがとう」という言葉が忘れられません。お客様は独身の為、病気になった後はお兄様が面倒を見ておられました。入院費などの負担が大きく、弟様が保険に加入していることがわかった時には安堵されたそうです。頼りになるお兄様がいらっしゃったことで、弟様も心強かったのではと感じました。

 手続きが終わり、会社へ戻る途中にふと自身の家庭を顧みました。「一人っ子の我が子は私たちがいなくなった後にどうするのだろう」と不安に駆られ、その日の夜に家族で将来について話し合いました。結論は出ませんでしたが、今後の課題を見つけることができ、親族に誰がいるのか、どこに住んでいるのか等を共有できただけでも少し安心しました。これからも、話し合う時間を持てるようにしたいなと思います。

 万が一のときの為に保険などでお金を備えておくことも大切ですが、家族間で気持ちや考え方を伝えて、お互いのことを知っておくことも大切な備えだと思います。例えば、「保険に入ること」が備えではなく、「どんな保険に入っていて、どういう時に役に立つのかを共有し合えていること」が備えなのではないでしょうか。
 備える方法として、我が家のような家族会議もありますし、エンディングノートでご自身の想いを書き残しておくこともできます。備えるのに大切なのは、自分が考えていることを発信し、相手の思いを受けとめて「会話をすること」だと感じます。

 井口葬儀店には1級葬祭ディレクターや終活カウンセラー、ファイナンシャルプランナー等の資格を持った経験豊富なスタッフが多数おり、事前相談も承っております。
 私は営業事務ですが、ファイナンシャルプランナーの資格も持っています。私がお話を聞くこともあるかもしれませんので、その際はよろしくお願い致します。

文責:藤田晴菜