私の趣味の1つにインスタグラムがあります。7年前、高校生の子供に作るお弁当の記録として始め、母の独り言と称して『#お弁当#高校生弁当#息子弁当』を付けて投稿していると同じ境遇のお母さんや息子のクラスメイトからコメントが届くようになり繋がりも増えはじめ、毎朝悩みの種だったお弁当作りは楽しみの時間となりました。お弁当作りが終わった今では子供達の成長を見守る場所として現在も続いています。

 先日も投稿を眺めていると、故郷の海に出会いました。裸足で走り回った砂浜や港、地元の漁船など毎日見ていた景色は故郷を離れて暮らす私に元気をくれる景色になっており嬉しくなり「久しぶりに故郷の海を見て幸せな気持ちになりました。これからも故郷の風景を楽しみにしています」とコメントすると丁寧な返信がありました。私の勝手な妄想では、地元で暮らす同年代の方の投稿だと想像していましたが、なんと!野球をするために越境し寮生活をしている高校生だったのです。「せっかく海の写真を喜んでもらいましたが卒業しこの地を離れます。撮り貯めた写真を楽しんでください」との事。逆に気を遣わせてしまった事を反省し「親元を離れ頑張ってこられた3年間お疲れ様でした。夢に向かって励まれてくださいね」と伝えた数日後、「大学に合格しました!次のステージは沖縄です。素顔も知れない私の応援をしていただきありがとうございました。沖縄の海や景色も楽しんで下さい」と報告がありました。たまたまコメントした私に報告して下さった事や息子と同い年なのに礼儀正しいところに感心し、我が子の成長と共に応援する楽しみが1つ増えました。

 先日読んだ禅の教えに、“一期とは一度たりともとどまっていない変化し続ける一場面、一会とは真っさらな一時の出会い”という意味を持つとありました。地域や世代を問わずネットを通じて共通のキーワードで繋がるSNSでの一期一会は感動と感謝を教えてくれました。今年は桜の開花も重なり春らしい新年度がスタートしています。夢や目標に向かって進み続ける未来を担う子供たちの新しい道のりが素晴らしい人生になりますようにと見守りながら、私自身日々の出会いの瞬間を大切に感謝の気持ちを忘れず1年を過ごしてまいります。

文責:笠柄 君予